2013年9月30日月曜日

字幕翻訳修業と裏ワザ

皆さま、こんにちは。ねこです。
英会話講師を始めて、丸3年が経ちました。
いやぁ、びっくりです!
正直言って、こんなに楽しい仕事だとは
思っていませんでした。
先日の土曜日も6レッスン、満喫してきました♪

ちなみに、翻訳の方は、もっと長い間やっています。
ビジネス翻訳を始めたのは、たしか1997年。
その後、2001年から映像翻訳の勉強を始め、
2002年の秋にF1関連の番組でデビューしました。

ひゃあ! もう11年!?
多少は上達したかしらね。(^^;

一応、年数だけは、中堅の域に入ってしまい、
駆け出しの翻訳者さんから、
相談などを受けることも増えてきたので、
今日は、僭越ながら、翻訳修業のことと、
ねこ流の裏ワザについて、
いくつか書いてみようと思います。

まずは、翻訳学校時代に、
仲間たちとやっていたことについて。
今、振り返っても、すごく勉強になったと思うのは、
課題を提出する際に、クラスメート2人にも字幕原稿を送り、
お互いにチェックし合ったことです。

いつも字幕を評価される側にいると、
なかなか字幕をチェックする人の視点で見ることはできません。
しかし、友人たちの原稿をチェックすることで、
「あっ、この表現は何だか紛らわしいな」と思ったり、
「わぁ! この訳し方、なんかステキ!」と思ったりと
いろいろな発見があります。
これは、本当に大きなことです!

実際に仕事を始めるようになってからも、
グループ翻訳やペア翻訳という形で受注すると、
例えば、1本の番組を前後半に分けて、
お互いにチェックし合い、誤訳や表記ミスを指摘したり、
わかりにくい表現について、代案を出したりします。
この作業をすると、
「どうして他人の原稿については、こんなにいろいろ気づくのに、
自分の原稿は客観的に見られないんだろう」と
本当に本当に驚きます!

おそらく、どんな仕事をするときも、仕事以外でも、
“客観的な視点を持つ”というのは、
すごく大切なことかもしれませんね。

もう1つ、字幕翻訳修業でよくやるのは、
実際に放送されている番組を録画して、
一時停止をしながら、字幕を書き写すことです。
特に情報が詰め込まれているドキュメンタリー番組の字幕を
せっせと書き写してみると、
「ああ、こうやって内容をまとめたのか」とか、
「へえ、流れを優先して、この情報を切り捨てたのか」など、
いろいろな発見があります。

駆け出しの頃に、よく言われたのは、
「1枚1枚の字幕をただ訳すのではなくて、
全体の流れを意識してください」ということ。
当時はなかなかそれを理解できなかったのですが、
最近ようやく、「こういう流れを作ると、
話の内容が気持ちよく頭に入ってくる」ということが
少しわかってきたように思います。

原文(原音)には、しっかり寄り添いつつ、
おかしな直訳はしない。
字面を訳すのではなく、意味を訳す。
できる限り客観的になりながらも、
発言した人の心に入り込んで、
その人が日本語で話した時の言葉づかいを想像する。
う~~ん、翻訳は本当に奥が深い!
まだまだ日々、修業です。


さて、長くなってきましたが、
今日はこのまま裏ワザの話も書いちゃいます。
いろいろと言葉を考えたり、情報の確認をしたりと、
翻訳には、莫大な時間がかかるので、
テクノロジーの力を借りて、
楽にできることは楽にしちゃうのはすごく大事!

細かい話をしていくとキリがないのですが、
とりあえず、モニターとマウスの話だけはしておきましょう。

字幕翻訳をするときは、いろいろなウインドウを開きます。
まずSST G1(字幕制作ソフト)、そして、辞書ソフト、
リサーチのためのウェブブラウザなどなど。
それをモニター1面だけでやろうとすると、
どうしても、こっちのウインドウを出し、
こっちをずらし…などと、細かい操作が増えてしまいます。
なので、最低でもモニターは2面にした方がいいでしょう。
こんな感じです。
(※実際は上のモニターにSST G1の画面、
下のモニターに辞書ソフトやウェブブラウザなどを表示します)


「デュアルモニターにしたところで、
何か変わるんだろうか」と、
最初はちょっと懐疑的だったのですが、
実際に使ってみると、効果は絶大でした!
1万円程度の投資で、作業効率がアップできるのだから、
これはさっそくやるべし!!という感じです。

もう1つ、劇的な変化をもたらしてくれたのが、
8ボタンマウスです。
各ボタンに自分の使いたいショートカットを仕込むことで、
右手だけで、サクサクといろんなことができるようになります。
ねこは、今のところ、こういう設定で使っています。


一番よく使うのが、親指操作をする左の2つ。
前が「Ctrl+C」、そして、後ろのボタンには、
PureTextというソフトを使ったショートカットを仕込み、
フォントなどの情報を一切排除して、
「Ctrl+V」ができるように設定しています。
これは、原文ウインドウに
スクリプトの英文を切り貼りしていく際に大活躍します。

それと、この写真には出ていませんが、
中央クリックの手前のボタンに、
「字幕分割」のショートカットを仕込みました。

これには、特殊な事情があります。
実はねこのPCはちょっとおかしくて、
SST G1で「Shift」+「→」を長押しすると、
ソフトが暴走してしまい、
最後のフレームまでが1枚のハコになってしまうのです。

そのため、今では最初から、自分の訳す部分を
すべて1枚のハコにしてしまい、
音の切れ目(※IN点から指定フレーム数戻ったところ)で、
この字幕分割ボタンを押し、
サクッ、サクッ、サクッと、
ハコ切りをすることにしたのです。
これが、案外、効率がいい!(笑)

そして、実際に訳す段階で、
1枚1枚、OUT点を短く縮めていきます。
おそらく、こんなやり方をしているのは、
ねこだけじゃないかと思うのですが、
これはこれで、ちょっとオススメです。^^

ただ、このやり方をする時は、
OUT点の変更をし忘れないよう、
十分ご注意くださいね。

ついでに、もう1つ。
NHKの「新用字用語辞典」と
共同通信社の「記者ハンドブック」は、
ATOKに組み込むと非常に効率的です。
実は用字用語辞典をチェックする時間って
けっこうバカにできないんですよね。
これが漢字変換する瞬間にポップアップしてくれるんだから、
こんな便利なことはありません。
「朝日新聞の用語の手引き」も、
早くATOKも組み込めるようにしてほしいものです。

さらには、「分かる/わかる」「時/とき」「他/ほか」など、
案件によって指定が異なるものは、
SST G1の右下のウインドウに、
「ほど」「ダメ」「マネ」「他」「ムダ」「ウソ」「時」「わかる」
という感じで並べて書いておくと、
毎回、調べ直す手間が省けます。
「2フレ戻し」「字幕間3フレ」「横16文字、縦12文字」
「ルビあり」「ダーシあり」といった情報もここに記入しておきます。

1つ1つは、とても小さなことのようですが、
何度も繰り返す作業を効率化することで、
トータルでは、かなりの時間を生み出すことに
なるのではないでしょうか。^^

今日は翻訳者さん向けの
かなりマニアックの情報満載でお届けしました。(^^ゞ

さっ、仕事にとりかかろっと♪

2013年9月27日金曜日

"leap year"

皆さま、こんにちは。ねこです。
今日のレッスンで、
"What is your dream?"という質問が出てきました。
大人になると、あんまり夢とか語らなくなっちゃうけれど、
こういうのはいいですね。^^


さて、今日はちょっと気になっていた言葉について。

"leap year"

意味はわかりますか?
これ、「閏年【うるうどし】」のことです。
ちなみに、"leap"には、「跳ねる」という意味があります。

どうして「閏年」が「跳ねる年」なんだろう?と、
常々、気になっていたので、ようやくさっき調べました。

通常、閏年でない場合は、翌年の同じ日は、次の曜日になります。
例えば2013年9月27日は金曜日なので、
翌年の2014年9月27日は土曜日となります。
そして、2015年9月27日は日曜日という形で、
毎年曜日が1つずつズレていきます。

ところが、閏年の2016年9月27日は、
月曜日を飛ばして、火曜日になります。
なので、曜日が1つ「跳ねる、飛ぶ」ということなのだそうです。

ちなみに、日本語の「閏年」の方は、
もともとの語源が中国のようです。
「閏」という文字は、王様が門の中にいることを表す字で、
中国では、暦からはみ出した閏日には、
王様が門の中に閉じこもって、政務を執らなかったのだとか。

それにしても、これだけたくさんの国があって、
たくさんの言葉もあるのに、
基本的には、世界中で同じグレゴリオ暦を使ってるというのは
なんともすごいことですよね!

2013年9月26日木曜日

「ゆとり」

皆さま、こんにちは。ねこです。
映像翻訳者を目指して一緒に学んだ2人の友人と、
お喋りを楽しんできました。
当時、3人掛けの席に、いつも並んで座っていた私たち。
授業中、ふと疑問がわいてお喋りをしてしまい、
先生に怒られたこともあったっけ(笑)

3人とも、今も現役の翻訳者。
私がこの仕事を続けていられるのは、
彼女たちのおかげです。^^


さて、今日は「ゆとり」という言葉に相当する英語について、
ちょっと考えてみたくなりました。
この言葉、文脈によって、使える単語が
かなり変わってきそうです。

「ゆとり」で英和辞書をひくと、
とりあえず訳語として出てくるのが、
room
elbowroom
leeway
latitude
margin
allowance
ease
clearance
play
など。

しかし、文章の中で使うと、
他にもいろいろな表現が可能になります。

have time to spare
(時間的なゆとりがある)

have the energy to read for pleasure
(読書をする気持ちのゆとりがある)

word that smells of leisure
(時間のゆとりを感じさせる言葉)

make life easier
(暮らしにゆとりを持たせる)

have peace of mind
(気持ちにゆとりがある)

SPACE ALCの英辞郎で検索すると、
他にもいろいろ用例が出てきます。
http://eow.alc.co.jp/search?q=%E3%82%86%E3%81%A8%E3%82%8A&ref=sa

ついつい、「忙しい」という言葉を口にしてしまう今日このごろ、
あえて、一瞬、手を止めて、
"Have peace of mind, have peace of mind..."と
自分に言い聞かせてみたら、
案外すべてがすんなりうまくいくかも?^^

ドラマなどで、相手に、「まあ、落ち着けよ」と言う時には、
"Easy, easy!"なんていう表現もよく聞く気がします。


ちなみに、余談ですが、
綴りが違っていて、まったく同じ音に聞こえる
"piece of mind"という表現があります。
こちらは、"give a piece of mind"というフレーズでよく使われ、
「ひと言説教をする、ずけずけと文句を言う」
という意味になるので、ご注意くださいね。
http://eow.alc.co.jp/search?q=give+a+piece+of+mind

2013年9月22日日曜日

「先輩」「後輩」「同期」

皆さま、こんにちは。ねこです。
先日、ドラマを見ていたら、
「やりたいことを仕事にできる人なんて、ほんの一握りなんだよ」
というセリフが出てきました。
いやぁ、確かにそうですよね。

そんな中、翻訳と英会話講師という、
好きなわらじを二足も履いてしまうなんて、
なんてラッキーなんでしょう!
生まれ変わっても、今とおんなじ人生がいいな。^^


さて、今日の話題は、
生徒さんたちからよく質問を受けるこちらの日本語表現です。
「先輩」「後輩」「同期」を英語で何て言ったらいいのでしょう?

実は、これらの日本語に相当する英語表現はありません。
なぜなら、そもそも英語圏には、
日本のような「先輩・後輩」という概念が存在していないからです。
この2つを無理やり、"senior" "junior"と訳す人がいますが、
ネイティブにとっては、おそらくピンと来ないでしょう。

どうしても説明したいなら、

He joined the company earlier than I did.
(彼は私よりも先に入社しました)

She was at Cat University two years before me. 
(彼女は猫大学に私より2年前にいました)=2年先輩

といった形で文章で説明をすることになります。

また、例えばアメリカでは、日本のように
春にまとめて新卒の定期採用などがないので、
そもそも「同期」というものが存在しません。

なので、もし、たまたま同時に採用されて、
同じ時期に働き始めたとしたら、

Tom and I joined the company at the same time.
(トムと僕は同じ時に入社したんだ)

と説明することになるでしょう。

では、「昨日、会社の先輩と食事をしたんだ」と言いたいとしたら、
いったいどうすればいいのでしょう?

I had dinner with my co-worker yesterday.
(昨日、同僚と夕食を食べました)

う~ん…。日本人にとっては納得がいかないかもしれないけど、
これが自然な表現です。

無理やり説明しようとしたら、

I had dinner with my co-worker 
    who joined the company earlier than I did yesterday.
(昨日、私より早く入社した同僚と夕食を食べました)

これじゃ、何だか長すぎるし、
“先に入社したから何なの??”と
文章の後半がやたらと気になってしまいそうです。(^^;

学校の「先輩」「後輩」についても同じこと。

I had dinner with my friend (from high school).
([高校の]友達と夕食を食べました)

これで十分なのです。


年上、年下をあまり意識しないというのは、
"brother"=兄または弟
"sister"=姉または妹
という英語表現からも分かりますよね。
あえて、「兄」と言いたい場合は、
"older brother"というふうに形容詞をつけることになります。

ちなみに、"uncle"や"aunt"も、日本語の漢字表記では、
両親の兄なら「伯父」、弟なら「叔父」、
両親の姉なら「伯母」、妹なら「叔母」。
(このあたりは、本当に翻訳者泣かせです。(^^;
たったこの1語のために、生年月日まで調べなくちゃいけないなんて!)

結局、言葉というのは、
必要なことを伝えるためにできたものなので、
生活習慣や文化によって、
必要な単語も違ってくるんですよね。


P.S. ふと気づいたら、4万アクセス突破していました♪
あ~、びっくりしたぁ!!

2013年9月20日金曜日

「同床異夢」

皆さま、こんにちは。ねこです。
毎日、ワールドビジネスサテライトを録画して、
翌朝に見ています。
その中で、ついつい笑ってしまうのが、
アメリカ人経済学博士フェルドマン氏のコメント。
難しい日本語をちょこちょこと口にするので、
何だかそれが妙にツボに入っています。

先日も、彼は東京オリンピックについてのコメントで、
なかなか難しい日本語を使いました。

「ドウショウイムじゃダメなんですよ」

一瞬、にゃ???と、
頭の中でクエスチョンマークが飛び交ったわけなのですが、
ああ、そう、あのやや難しい四字熟語です。

同床異夢【ドウショウイム】
同じ寝床に寝ても、それぞれ違った夢を見ること。
転じて、同じ立場にありながら、
考え方や目的とするものが違うことのたとえ。

今の時代、「ドウショウイム」という言葉を聞いて、
この漢字を思い浮かべられる人は、
何割ぐらいなのでしょうか?

たしかに、時代とともに言葉は変わっていき、
字幕で使える言葉も、簡単なものへ簡単なものへと
変わっていく状態ではありますが、
古き良き日本語も大切に守っていきたいなぁ…と
思ったねこなのでした。

さあ、みんな、もっともっともっと本を読もうね♪

2013年9月15日日曜日

"You can't put the genie back in the bottle"

皆さま、こんにちは。ねこです。
数か月に一度、「よ~し、いい女を目指すぞ!」と
固く決意するのですが、すぐに忘れてしまいます。
昨日、決意を新たに、マスカラを買ってみたのですが、
いまだにビューラーが怖くて上手に使えません。
どうやらそのあたりが、今後の課題のようです(笑)


さて、今日はちょっと面白いフレーズをご紹介します。

"You can't put the genie back in the bottle."
(一度外に出た魔物は瓶の中に戻せない)

イメージとしては、アラジンと魔法のランプの
魔神さんという感じでしょうか。



これは、最近、テクノロジー関係の話題で、
よく耳にします。

例えば、「インターネットを使うのが当たり前の時代になり、
もはや、ネットのない生活になんて戻れない」
といった話題の時に登場する表現です。

ただし、どちらかというと、ネガティブなイメージを含んでいて、
「ネットのせいで、いろいろ問題も起きてるけど、
でも、ネットのない時代には戻れないんだから、
うまく利用していくしかないよね」というニュアンスですね。

今年の6月に、NYに行った際、
レコードレーベルの取材のお手伝いをし、
そのインタビューの中でも、音楽の違法コピーについての話題で、
この表現が出てきました。

「デジタルのミュージック・ファイルだからと、
多くの人がイージーに考えて交換したりするけれど、
パン屋でパンを黙って持っていくことと同じだからね。
"But, you can't put the genie back in the bottle"
(でも、デジタル技術のなかった時代に戻ることはできないのだから)
現実を折り合いをつけなきゃいけないことは分かってる」
                               ※「JAZZ LIFE」10月号P.88より引用。

この記事の中で、なかなか面白かったのは、
実は最近、若者の間で、CDではなく、レコードを
買う人が少しずつ増えているということ。
今年の春先にワールド・ビジネス・サテライトでも、
「アメリカでレコード・ブームが復活」という話題を取りあげていたので、
音楽業界は、面白い方向に向かっていくのかもしれませんね。

ちなみに、「レコード」は英語で、
"vinyl record(ヴァイナル・レコード)"
あるいは、"vinyl"や"record"などと呼びます。
他にも"gramophone record"や"phonograph record"
などの表現もありますが、
インタビューの際に、プロデューサーのKevin Calabroさんは
単に"vinyl(ヴァイナル)"とだけ言っていました。


ちなみに、この取材記事は、
9/14発売の『JAZZ LIFE』10月号P.86~88に掲載されています。
よかったら、探してみてくださいね。

 



Royal Potato Family(ロイヤル・ポテト・ファミリー)公式サイト
http://royalpotatofamily.com

音楽の試聴もできます♪
英語のサイトですが、怖がらずに、
ぜひ、クリックしていろいろのぞいてみましょう。^^
Facebookで“いいね!”を押しておくと、
時々、最新情報が英語で通知されてきますよ。

2013年9月13日金曜日

"current"で誤訳未遂!

皆さま、こんにちは。ねこです。
今日は同業者である友人とランチを食べてきました。
彼女は、同じ系列校の英会話講師であり、
同じ翻訳学校に通った翻訳者でもあります。

「英会話学校の先生って楽しいよ!」という言葉を、
彼女から聞いていなかったら、
今の“にゃんこ先生”は、存在してなかったんだろうなぁ。
そう思うと、ねこにとっては、本当に重要な存在ですね。
感謝、感謝!


さて、今日はちょっとだけ誤訳未遂のお話をしましょう。
マリンスポーツ関連の翻訳をしていて、
画面に"current speed"というテロップが出ました。
さあ、どう訳しますか?

ねこは、最初、何も考えずに、
「現在の速度」と訳していました。
しかし、ふと、気づいたのです!

"current"には、「現在の」「最新の」「流行している」
なども意味もありますが、
「潮流」「海流」「電流」などの意味もあるのです。

つまり、ここの日本語テロップは、
「流れの速度」あるいは「海流の速度」などと
訳すべきなのでは?

というわけで、ここの部分、
映像をじっくりと検証しながら、
現在、他の翻訳者さんたちと検討中です。

でも、何で1つの単語で、
こんなに全然違う意味になっちゃうのでしょう?

あらためて、辞書で"current"の他の意味をチェックしたところ、
「時の流れ」「傾向」「風潮」
「現在通用している」「現行の」「流通している」なども出てきました。
そう考えると、何となくイメージ的に、
“流れ”路線で、ちょっと繋がりそうな気もしますね。

ちなみに、「時事英語」は"current English"。
これって、和製英語じゃないかしら?と
ちょっぴり疑っていたのですが、
ちゃんと、オックスフォードから立派な辞書が出ていましたとさ。(^^ゞ

めでたし、めでたし♪

2013年9月12日木曜日

英語人名の七変化

皆さま、こんにちは。ねこです。
昨日から探していた消しゴムが見つかりました。
こういうのって、何だかスッキリしますよね。^^


さて、今日の話題は英語圏の人名の変化について。
海外ドラマを見ていると、
1人の人物が、何種類かの名前で呼ばれていることがあります。
例えば、James(ジェームズ)さんが、
Jimmy(ジミー)、Jim(ジム)と呼ばれたりします。

字幕をつける時は、毎回呼び方を変えると、わかりにくくなるので、
事前に、「この人の名前は“ジム”で統一しましょう」
などという取り決めをします。
そうじゃないと、外国の名前に慣れていない人は、
「あれっ? さっきのジェームズさんは、
今ここにいるジムさんのお兄さんかな?」と混乱しちゃいますよね。

でも、このJames、Jimmy、Jimぐらいなら、
ある程度、予想はつきますが、
例えば、Robert(ロバート)がBob(ボブ)と呼ばれたりと、
日本人にとっては、何でそうなるの!??と
びっくりするような変化もします。

というわけで、今日はいくつか代表的な人名の変化を
ご紹介することにしました。


Alfred ♂
(アルフレッド)  Al(アル), Fred(フレッド), Freddy, Freddie(フレディ)

Andrew ♂
(アンドリュー)  Andy(アンディー), Drew(ドリュー)

Anthony ♂
(アンソニー)  Tony(トニー)

Ann/Anne ♀
(アン)  Nancy(ナンシー)

Catherine ♀
(キャサリン)  Cate(ケイト), Cathy, Cassie(キャシー), Cath(キャス)

Edward ♂
(エドワード)  Ed(エド), Eddy, Eddie(エディ), Ted(テッド), Ned(ネッド)

Elizabeth ♀
(エリザベス)  Beth(ベス), Betty(ベティー), Betsy(ベッツィー), Lillian(リリアン), Liz(リズ), Liza(ライザ), Lisa(リサ)

Ellen ♀
(エレン)  Nell(ネル)

Eric ♂
(エリック)  Rick(リック), Ricky(リッキー)

James ♂
(ジェームズ)  Jim(ジム), Jimmy(ジミー), Jammy, Jamie, Jamey(ジェイミー)

Jennifer ♀
(ジェニファー)  Jen, Jenn(ジェン), Jenny, Jennie(ジェニー)

John ♂
(ジョン)  Jack(ジャック), Jacky, Jackie(ジャッキー), Johnny, Jonnie, Jonny(ジョニー)

Katharine/Kathleen ♀
(キャサリン)  Kate(ケイト), Katie(ケイティ), Kathy, Kathie(キャシー)

Laurence/Lawrence ♂
(ローレンス)  Larry(ラリー)

Margaret ♀
(マーガレット)  Maggi, Maggy(マギー), Meg(メグ), Peg(ペグ), Peggy(ペギー)

Mary ♀
(メアリー)  Polly(ポリー)

Matthew ♂
(マシュー)  Matt(マット), Matty(マティー)

Michael ♂
(マイケル)  Mike(マイク), Mikey(マイキー), Mick(ミック), Micky, Mickey(ミッキー)

Nathan ♂
(ネイサン)  Nate(ネイト), Nat(ナット)

Rebecca ♀
(レベッカ)  Becca(ベッカ)、Becky(ベッキー)

Richard ♂
(リチャード)  Dick(ディック), Rick(リック), Ricky, Rickie(リッキー)

Robert ♂
(ロバート)  Bert(バート), Bob(ボブ), Bobby(ボビー), Rob(ロブ), Robby, Robbie(ロビー)

Stephen/Steven ♂
(スティーブン)  Steve(スティーブ)

Susanna ♀
(スザンナ)  Susan(スーザン), Susie, Susy, Suzie, Suzy(スージー), Sue(スー)

Thomas ♂
(トーマス)  Tom(トム), Tommy(トミー)

Victor ♂
(ヴィクター)  Vic(ヴィック)

William ♂
(ウィリアム)  Will(ウィル), Willy, Willie(ウィリー), Bill(ビル), Billy(ビリー)

Zachary ♂
(ザッカリー)  Zach, Zack(ザック)

いかがですか?
ああ、なるほどね!と思うものもあれば、
何でそうなるかなぁ…と、
思わず首を傾げたくなるようなものもありますよね。

「ウィリアム」が「ビル」なんて呼ばれてしまうのも、
そりゃ、完全に別人でしょ!とツッコミを入れたくなりますが、
実は音声学的に分析すると、
"w"と"b"を発音する時の唇のポジションを分析すると、
案外、音としては似ているのかなぁ…とも思ったり。

ちなみに、ビル・クリントンさんの本名は、
William Jefferson Clinton(ウィリアム・ジェファソン・クリントン)
なのだそうです。
いきなりそんな名前を出されたら、
"Who's that!??"と言ってしまいそうですね(笑)

2013年9月10日火曜日

ヒツジがいっぱい!

皆さま、こんにちは。ねこです。
いつも、ねこは朝の7:30から、「あまちゃん」を見て、
そのあと、前日の録画の
「ワールドビジネスサテライト」を見るのですが、
最近、あまちゃんのすぐあとに「猫歩きmini」の15分放送があって、
ニュースの録画そっちのけで楽しんでいます。
困ったものです(笑)。


さて、それはさておき、こちらの写真をご覧ください。
そして、英語でこの写真について説明してみましょう。


"There are a lot of sheeps."と書いてしまった人、
残念ながら、不正解です。
なんと、「ヒツジ」は、単数形も複数形も"sheep"。
つまり、眠れない時には、
"One sheep, two sheep, three sheep"と数えるわけです。
ちなみに、可算名詞です。

「魚」も基本的には同じ。
"One fish, two fish, three fish"となります。
種類がいっぱいいることを言う時には、
"fishes"という用法もあるとは言われていますが、
実際の会話では、"three fishes"と言うよりも、
"three kinds of fish"と言う方が自然なようです。
こちらも、可算名詞です。

ちょっと厄介なのは、「果物」の"fruit"。
こちらは、基本的には不可算名詞で、
種類を表す時だけ可算名詞扱いになります。
My grand mother grows fruit. (祖母は果物を栽培する)<不可算
Do you like fruit? (果物はお好きですか?)<不可算
Bananas and apples are fruits.(リンゴとオレンジは果物である)<可算

そして、果物と同じ扱いでもよさそうなのに、
可算名詞で、基本的にいつも複数形になるのが
「野菜」の"vegetables"。
You should eat more fruit and vegetables
(もっと果物と野菜を食べたほうがいいよ)

単数形/複数形のお話と
可算名詞/不可算名詞のお話が一緒になっているから、
本当に頭がごちゃごちゃしちゃいますね。

こう整理してみましょう♪

可算名詞は、"sheep" "fish" "vegetable"。
その中で、複数形になった時に"s"がつくのは、"vegetables"だけ。

不可算名詞は、"fruit"。
でも、種類を言う時だけは可算名詞になって、"fruits"になる。

まあ、でも、こうして一応整理はしてみたものの、
"a lot of sheeps"って言っても、絶対通じると思うんですよね。
"sheep"って単語自体を忘れたら、
「メェェェェェェ~~」って鳴き真似すればいいんだし(笑)。

あっ、だけど、ヒツジやヤギの鳴き声は、
英語では、"baa"って言うんでした。
そこも知っておかないとね。(^^ゞ

【注意】
この4つの単語とも、辞書の2つめ、3つめの意味では、
可算名詞、不可算名詞の両方が存在します。
ここでご紹介したのは、あくまでも、一般的によく使われる用法なので、
もっと詳しく知りたい人は、きちんと辞書をチェックしてくださいね。

2013年9月9日月曜日

"wet blanket"

皆さま、こんにちは。ねこです。
先日、友人から、「ねこさん、人生哲学とかってあるの?」
と尋ねられました。
要は、ねこがあまりに行動的なので、
その友人は、ふと尋ねてみたくなったのだそうです。

はて? 人生哲学…。(^^ゞ
すぐにはピンと来なかったけれど、
とりあえず2つのことが思い浮かびました。

1つは、「笑顔」。
基本的に、“人生でできるだけ長い時間を
笑顔で過ごせるように”
そして、“人生でできるだけ長い時間、
他人の笑顔を見て過ごせるように”
ってことを考えながら、物事を選択しています。
(なんか、おばあちゃんクサいかな)(^^)

もう1つは、こちらの言葉。

  たった一度しかない自分を
  たった一度しかない一生を
  本当に生かさなかったら
  人間 生まれてきたかいがないじゃないか

たしか、中学校の担任の先生から教わった言葉で、
あらためて調べてみたら、
山本有三の「路傍の石」に出てくる一節でした。

ねこ自身のもともとの性格は、
実は結構ネガティブで、心配性で、悲観的です。
でも、それだと、あんまり面白い人生にならないので、
時折、この2つのことを思い出して、
軌道修正してるって感じかしら。

さて、すっかり前置きが長くなりましたが、
今日のトピックは、"wet blanket"。
直訳すると、「濡れた毛布」となりますが、
この表現、"He's a wet blanket."
"Don't be a wet blanket."
"I don't wanna be a wet blanket."というように、
人間に対して使われます。
どういう意味だと思いますか?

訳語の例としては、「しらけさせる人」
というのが挙げられます。
例えば、家の中で火事が起きそうになった時、
毛布に水をたっぷり含ませて、
炎に覆いかぶせて火を消しますよね。
(やったことないけど)(^^;

そういうニュアンスから、盛り上がっているパーティーなどを
しらけさせる人を"wet blanket"と言うのだそうです。

例えば、友達の婚約をお祝いするパーティーで、
「私、主人と離婚することになったの…」と
暗い顔で告白する人。(今、言うことないでしょ)

友達が、レストランをオープンし、その開店祝いの席で、
「ここは、立地があまりよくないから、集客が心配ね」
っていう発言をしちゃう人。(心配なら、集客に協力しましょう)

会社の営業チームで、売り上げ目標を達成して、
みんなで大喜びしてる時に、
「これで、さらにノルマが厳しくなるね」
なんてことを言っちゃう人。
(まずは一旦みんなで喜んでから次のこと考えましょう)

もちろん、何をやるにしても、
物事のプラス面、マイナス面をじっくり考えるのは大事です。
例えば、登山中、「絶対、登頂するぞ~っ♪」と
みんなが盛り上がっていても、
本当に危険な天候だとしたら、
たとえ"wet blanket"と思われようとも、
それを阻止する必要もあるでしょう。

でも、基本的には、
ワクワクする気持ち、楽しい気分、
○○したいという夢などには、
すばらしいプラスのエネルギーが
秘められているように思います。

今日も、皆さんができるだけいっぱいの時間、
ニコニコして暮らせますように♪

2013年9月8日日曜日

東京五輪に向けて準備しよう♪

皆さま、おはようございます! ねこです。
東京オリンピック、決まりましたねぇ。
これは、英語学習者にとっては、
本当に本当にすばらしいニュースだと思います。
だって、英語を使う機会が、確実に増えるんだもの♪

まず、交通機関や飲食店、小売店などに、
これまで以上に外国人の方たちが訪れることになるので、
そういう場所で働く人は、英語力が求められるはず。
そのため、当然、就職や転職でも、
「英語が話せます」という人は、有利になってくるでしょう。

そして、オリンピック開催とその前後数か月(?)、
オリンピックのスタッフも大量に必要になります。
私の友人は、ロンドンオリンピックのスタッフになり、
おそらくトータルで1年以上の期間、
現地で仕事をしていました。
そういうスタッフになる場合、東京の開催であっても、
やはり「英語を話せる」というのは有利になる気がします。

また、ボランティアレベルでの英語のお仕事というのも
たくさん発生しそうです。
特に面白そうだなと思うのが、
滞在中の外国人選手が買い物に行ったりするのを
お手伝いするという仕事。
長野オリンピックの時に、
こういうお仕事を募集しているという話を
聞いたことがありました。
(※どこでどういう形で募集するかや、
報酬があるのかなどは、わからないので、
いずれ、具体的な情報が出てきたら、
このブログでお知らせしますね)

そんな形で、英語を話す仕事は確実に増えそうですが、
翻訳の方は、どうなんでしょう?
海外にニュースを発信するために、
日英翻訳が増えるのかしら?
でも、外国人選手のドキュメンタリーなどで、
英日も増えるかな?
店頭や店内などに掲示するちょっとした短い日本語の文章を
英語に訳すなどという仕事は、すごく増えそうですよね。

いずれにしても、言葉の上での国際化が
あまり進んでいない日本にとって、
これは、大きな試練でもあり、
大きなチャンスにもなりそうです。
7年後に向けて、今から先手を打っておきましょう♪

まずは、単語を覚えることと、
オーバーラッピングから。(^^)/

2013年9月6日金曜日

「蝶々結び」は"ribbon"ではない!?

皆さま、こんにちは。ねこです。
フリーランスの翻訳者というのは、
決して安定している職業ではなく、
たまに、パタッと仕事が途絶える瞬間が
やってくることがあります。

1日や2日なら、“ちょうどいい骨休めだわ~”と思えるのですが、
その状態がもう少し続くと、
“ひょっとして何かマズイ納品をして
もう発注が来ないのでは?”と不安になってきます。

先日、ちょっとそういう状態になったので、
え~い神頼みだっ!と思って、
神社に行って賽銭箱に100円を入れて、
「仕事くださ~い」と、お願いしてきました。
そしたら、いきなりドドドドドッと各方面から発注が来て、
うんと先の予定まで埋まり、
いくつかの仕事は断らなくてはいけない事態に…。(^^;
う~ん、神社ってパワフルなのね(笑)。


さて、今日の話題は「リボン」について。
昨夜、学校でネイティブと話していて、ものすごくびっくりしたんです!

これ、英語で何て言うと思いますか?


私は昨日の夜まで、絶対にこれは
"ribbon(リボン)"だと思い込んでいました。
でも、これは"ribbon"ではなかったんです!!

英語の"ribbon"が指すのは、
長い形状の布などのこと。


で、これを結んで作った蝶々の形をしたものは、
"bow(ボウ)"と言います。

例えば、こちらのTシャツなら、
"the T-shirt with a lot of bows on it"
と表現することになるのです。



いやぁ…、そう言われても、
自分の中では、絶対これは"ribbon"なんだけど~~!!(^^;

でも、昔々、タイプライターに使われていた
「インクリボン」などのことを考えると、
なるほどねぇ…という気持ちにもなります。

それと、「蝶ネクタイ」のことを
"bow tie(ボウタイ)"って呼んだりするので、
まあ、確かにねぇ…という気持ちにもなります。



でも、なんだかねぇ…。
きっと、これから先も、結わいたリボンを見かけたら、
"ribbon"って言っちゃいそうな気がするのよね。

ちなみに、リボン関係の表現例としてはこんな感じ:

tie the ribbon into a bow (リボンをちょう結びにする)

ribbon-wrapped box (リボンを掛けた箱)

untie a ribbon (リボンを解く)

bow tie pasta (リボン形のパスタ)

要は「蝶々結び」を指すときは"bow"で、
素材そのものは、"ribbon"なんですね。
びっくりです!

2013年9月3日火曜日

卵料理の名前

皆さま、こんにちは。ねこです。
先週はとっても平和でしたが、
木曜日と金曜日に大規模案件が動き出し、
ちょっとバタバタしています。

というわけで、いっぱいいっぱいの状況ではあるのですが、
ちょこっとだけネタをアップしておきましょう。
今日は、いろいろな卵料理の英語名についてです。

■スクランブルエッグ scrambled egg

■オムレツ omelet / omelette ※右はフランス語綴り

■目玉焼き fried egg
※片面焼きはsunny-side up、両面焼きで黄身が半熟なのがover easy、
両面焼きで黄身もしっかり焼けているものがover hardです。

■ゆで卵 boiled egg
※固ゆではhard-boiled、半熟はsoft-boiledです。
「ハードボイルド」って言葉は、ここから来てるんですね。

■落とし卵 poached egg

あれ? 卵焼きは?と思った人、
なんと、卵焼きというのは、日本独特の料理なのだそうで、
あえて英語で言うなら、Japanese omelette となります。
あ~、びっくりした!

お寿司屋さんで出てくるあれを、「オムレツ」なんて言われても、
なんだかピンと来ないですよね。(^^;

英語版ウィキの項目名は、なんとTamagoyakiです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Tamagoyaki