2014年7月29日火曜日

翻訳者の反省文

皆さま、こんにちは。ねこです。
「いつもすごく忙しそうだけど、ちゃんと寝てるの?」
と聞かれることがあります。
実はいつもたっぷり眠っております。
睡眠をばっちり確保しすぎているがために、
いつも時間が足りなくてバタバタしているのです。
健康第一!(^^)v


さて、昨日、翻訳2案件を納品しました。
今回はいろんな点で反省すべきことが多かったので、
今後の備忘録も兼ねて、
気をつけるべきことを書いておこうと思います。

■納期が長いことで安心しない

今回、グループ翻訳で役割分担をして
スポーツ番組を訳したのですが、
私が担当したのは、30分番組の前半と60分番組の前半。
実際に訳す部分の長さは、12分程度と25分程度。
通常はそのくらいの分量だと、1週間程度で訳します。

が…、今回は映像をもらったのが6月18日。
納期は7月28日。作業可能期間、1か月以上。
こういうパターンが実は一番危険なんです。
“ああ、まだまだ時間があるから大丈夫”と思って、
普段できなかった用事をやったり、外出したり、
他の仕事を割り込みで引き受けてしまったり。

そして、予想外の体調不良などもあり、
結局、最後の最後で
バタバタと訳すことになってしまいました。

納期が先のものでも、自分なりに
早めに締め切りを設定して、
どんどん仕上げてしまうのが得策ですね。
早めに終わっていれば、急に他の依頼が来ても、
次々と引き受けられるわけだし。^^

■原稿チェックや納品の日が重なるのを避ける

今回、いよいよ原稿の仕上げに入る段階で、
単発の短い別件の話が転がり込み、
つい、引き受けてしまいました。
ところが、そちらもグループでの作業で、
グループ内で原稿をチェックし合う日が
2案件で重なってしまったのです。

グループでの作業の場合、
自分のペースだけで物事を進めることはできません。
2案件が同時に動いている状態だと、
スケジュール的に板挟みになることがあります。
なので、“まあ、なんとかなるかな”
という引き受け方はしないのが得策です。
グループ翻訳は、単独翻訳のとき以上に、
スケジュールに余裕を持つようにしましょう。

■的を絞って原稿チェックをする

グループ翻訳で、例えば、番組の前半と後半で
担当を分けた場合、
ペアを組んだ人と字幕ファイルを交換して、
納品前にチェックし合います。

その際、他人の書いた字幕というのは、
自分の字幕とは違って、客観的に見られるので、
いろいろと“こういう文章にするともっとよさそう”
といったことが思い浮かびます。
(そういう意味で、チェック作業はとても勉強になります)

しかし、それをすべて、
“こんな代案もありますがいかがでしょう”
なんて書いていってしまっては、
チェックに時間がかかりすぎてしまうし、
結局のところ、それって、
“私の代案のほうがいいでしょう”という
ひとりよがりの行為にもなりかねません。

にもかかわらず、今回、ねこは、
あれもこれも…と、
思いつくかぎり何でもかんでも
コメントをしてしまいました。

もちろん、少し言い回しを変えたほうが
読みやすくなる字幕などもあるので、
ある程度の改善提案は大切です。

でも、本当にチェックすべきは、
固有名詞に間違いがないかや、
誤訳や誤字脱字がないかという基本的なポイントです。

今回は、重箱の隅をつつくような
細かいチェックをしたわりには、
固有名詞の表記ミスを見落としてしまい、
クライアント側のチェックで指摘が入りました(汗)。

何のために原稿チェックをしているのか、
本来の意義をしっかり
心に留めておく必要がありそうです。

■早めに全容を把握する
翻訳に取りかかる際、まずは情報収集!と思いつつ、
つい、調べ物にかかる時間を惜しんでしまい、
予備知識がない状態で訳し始め、
表記や事実確認を後回しにしてしまうことがあります。

でも、これは結果的に大きなロスタイムになりますし、
ミスを招く原因にもなります。
例えば、今回のスポーツ番組の場合、
チーム名やら選手名やらが次々と出てきました。

先にチーム名、選手名の日本語表記などを
整理した上で翻訳をしていけば、
表記のブレが出る心配もありません。
また、レースの展開や結果を把握していれば、
その展開にふさわしい言葉選びもできます。

調べ物をしてから訳すのは、
翻訳者の常識なのです。
でも、訳し始める前の、モヤモヤした状態では、
何を調べていいのかも分からず、
まあ、とりあえず訳し始めてみるか…
という発想になってしまいがちです。

全容をつかむための手っ取り早い方法としては、
先にスクリプト(英文)にザッと目を通して、
キーワードになる単語を拾い出し、
そこで一旦、調べ物タイムを設けて
情報を整理してみるのもいいかもしれません。

また、オフライン作業をしていて、
すぐに表記を確認できないときは、
コメント欄に★印などをつけておくか、
字幕ウインドウに(人名)などと書いておいてもよさそうです。
“とりあえず、それっぽい名前を書いておく”というのが、
一番危険であることを、今回、実感しました。

とりあえず、そんなところでしょうか。
今回の反省を踏まえ、
気持ちを引き締めて頑張ります!