2014年8月24日日曜日

LINE乗っ取りと日本語の特性

皆さま、こんにちは。ねこです。
昨日、ちょっとした事件がありました。
高校時代の後輩から、
奇妙なLINEメッセージが届いたのです。

「何してる忙しいちょっと手伝ってもらえない?」

見た瞬間、なんだか違和感がありました。
なんだろう、この違和感…。

それはメッセージの文体(口調)のせいでした。
とても仲のいい後輩なので、
「先輩、○○だよ~」などと
くだけた話し方をする時もありますが、
基本的に彼女はあまり、
敬語を崩すことがありません。

いつもの彼女なら、

「先輩、今、何してますか? 忙しいですか?
ちょっと手伝ってほしいことがあるんですが…」

といったメッセージを送ってくるはず。

これはなんだか怪しいと思ったので、
LINEでは返信をせず、
別のルートで彼女にメッセージを送り、
確認をしたところ、
やはり、LINEのアカウントが
乗っ取られていたようでした。

うむ…。
これが最近流行のLINEの乗っ取りってやつなんですね。
おそらく、私がそのまま
「どうしたの?」などと返信をしていたら、
「実はトラブルに遭って、困っていて、
すぐにお金を振り込んでほしい」といった形で
詐欺の手口が始まったのだと思います。

でも、面白いものですね。
これが英語だったら、
相手が後輩本人ではないというのは
見抜けなかったかもしれません。

"What are you doing now?"
(何してる?)(今、何してますか?)

"Are you busy?"
(忙しい?)(忙しいですか?)

"Will you help me."
(手伝ってくれない?)(手伝ってもらえませんか?)

もちろん、英語でも、
"Would you help me?"などの
やや丁寧な表現というのは存在します。
また、男性がよく使う表現、
女性がよく使う表現などもあります。
でも、基本的に、英語は日本語ほどは、
話者のキャラが出ない言語と言えるかもしれません。

特に、日本語の人称は、
本当にバラエティーに富んでいますよね。
英語の一人称は基本的には"I"
二人称は"you"。
しかし、日本語の一人称は、
「私、僕、俺、おいら、ワシ、あたし」など
数多く存在します。
二人称も「あなた、お前、君、あんた、てめえ」など
かなりの種類が存在します。

というわけで、英日翻訳者のねこは、
今日も話者の口調を考えながら、
一生懸命、翻訳をしようと思います。

皆さま、LINEの乗っ取りには
十分ご注意くださいね。^^