2017年4月29日土曜日

言葉の力・音楽の力

※コンサートを聴いて感激し、
ちょっと暑苦しい投稿になっちゃいました。(^^ゞ

皆さま、こんにちは。ねこです。
迷ったり悩んだりしている時に
ふと耳にした一言で
前に進めることってありませんか。

先月、インタビュー原稿作成用に
翻訳のお手伝いをした際に、
そんな一言に出会いました。
ミュージカル女優シエラ・ボーゲスさんの
インタビューです。
(*Bunkamura オーチャードホールでの
「ミュージカル・ミーツ・シンフォニー2017」の
プログラムに掲載されました)


You are enough. You are so enough. 
It's unbelievable how enough you are.

というのは、彼女の名言として
世の中によく知られているのですが、
このインタビューの中では、
さらにもう一言、

As you are, as you show up is enough.
That doesn't need to be, you know, 
you don't have to add anything, 
you don't need any gimmick, 
just as you are is enough.

と仰っています。

「ありのままのあなたが、
そこに現れるだけで、本当に十分。
何かを付け足したり、
小細工をしたりする必要なんて全くない。
本当にありのままで十分なの」

通訳ガイドの研修を終え、
すっかり自信をなくしていた時に
この言葉を耳にし、
どれだけ勇気が湧いたことか。

お客様との待ち合わせ場所に
「現れる」だけならできる!(笑)

この翻訳に携わった直後、
「急なのですが、明日、箱根に
お客様をご案内できませんか?」
という連絡が入りました。

「よし、現れるだけならできる!」
本当にそれだけの根拠のない自信で
「はい、行けます」と回答。
その箱根ツアーで
通訳案内士デビューとなりました。
(それもありがたいことに大成功)

そんなポジティブなパワーを
与えてくれたシエラさんの姿を
ひと目見たいと思い、
今日は渋谷のオーチャードホールへ。


コンサートを聴いていて
とても驚きました。
今日演奏された曲のいくつかは
自分の英語人生の中で
大きな意味を持つ曲だったのです。

Part Of Your World


高校時代、アメリカ留学から戻った友達が
字幕なしのVHSを貸してくれて、
一生懸命カタカナで歌詞を書き出して覚えた曲。
映画を字幕なしで見たのは、この時が初めて。
内容の理解度は30%程度?

Whole New World


この曲を演奏した吹奏楽団がきっかけで
ジャズの世界を知り、やがてニューヨークへ。

Phantom of the Opera


大学の卒業旅行で訪れたロンドンで
「オペラ座の怪人」のミュージカルを鑑賞。
実際のところ、英語はそれほど
うまく聞き取れてはいなかったものの
音楽と人間の声から伝わってくる
あまりにも切ない想いに号泣。
「コミュニケーションは言葉だけではない」
というのを肌で感じた瞬間。

言葉から勇気をもらうこともあれば、
言葉すら要らないこともある。
いずれにしても、「人の心を動かす」
というのはすごいことですね。

英語でも、心が動かされるというのを
I'm moved.
と言います。

今夜はCDを聴きながら、
もう少し余韻に浸ろうと思います。

2017年4月27日木曜日

通訳ガイドの持ち物

皆さま、こんにちは。ねこです。
今日はガイディングをする時の
持ち物についてお話ししましょう。

こちらは、降水確率0%の
都内観光の例です。


1) DARSのホワイトチョコ
お客様との待ち合わせの前に買います。
自分の空腹を満たすためもありますが、
レストランが混んでいて、
待ち時間が長くなる時などに
「1ついかが?」と差し出すと、
イライラ軽減効果があります(笑)。
「これ、美味しい!」という反応があったら、
「ご宿泊のホテルの1Fのコンビニで
108円で売っていますよ」と案内すると、
お土産としてごっそり購入されるようです(笑)

2) ミネラルウォーター
本当はコーヒーや紅茶を飲みたいけれど、
欧米人のお客様は、あまりトイレに行かないので
ガイドだけがトイレに行くという状況を避けるため
極力、水を飲むようにしています。

3) 切り離せるノート
お客様が解散後に行きたい場所などについて
サッとメモを書いて渡せるように
キレイに切り離せるノートを持参。

4) ボールペン

5) バンドエイド
お客様が靴擦れなどで困っている時に
サッと差し出せるように。
頭痛薬や胃薬は、体質の違いで
トラブルになるといけないので、
必要があれば、マツキヨなどにお連れして
ご本人に買っていただきます。

6) ハンドタオル
寺社仏閣の手水舎で手を清めたあと
大抵、みんな自分の服で拭こうとします(笑)
綿のハンカチは、ビショビショになって
何人かで使うには気持ち悪いので、
ハンドタオルがオススメ。

7) お財布
数万円の立て替えが必要になることもあるので
それなりの額の現金とクレジットカードを。
ツアー用のレシートを入れる場所を決めておくこと。

8) ガイド証

9) 名刺入れと名刺

10) 伸ばせる指示棒(ニャンコ付き)
混雑した場所で、歩く方向を示す他、
地下鉄で切符を買う時なども
料金表を指せるので便利。

11) ネームバッジ
最初に自己紹介をしても、日本人の名前は、
すぐには覚えられないと思うので
一日中、胸につけておきます。

12) SIMフリーのWiFi

13) iPod touch
WiFiとセットで使うことで、
iPhoneとほぼ同じ使い方が可能。
Talkatoneというアプリで
アメリカの電話番号も常時使えます。
Evernoteにスケジュールや
ガイディングのメモを入れてあります。

14) イヤホン
電話アプリを使う時のため。
また、行きの電車で英語を聴いて
耳慣らしをします。

15) ガラケー
携帯電話をスマホとは別に持つことで、
iPod touchで調べた画面を見ながら
通話することができるので便利。

16) iPod nano(万歩計)
歩数を見ながら、休憩のタイミングを検討。
夢中でガイディングをしていると
疲れを感じる余裕がないこともあるけれど
お客様は疲れているかも。

17) 時計
iPod touchの時計でもいいけれど、
なんとなく。

18) その日訪れる場所の英語地図
下見に行った時に人数分もらっておきます。

19) 東京のマップ一式
東京観光財団発行の地図とハンディガイド
東京メトロ発行の地下鉄マップ。
地図は「ツアーの途中や最後で、
今日はこことここに行きました」
などと話す時に使い、そのまま差し上げます。
地下鉄マップは、帰り方の説明で使います。
こちらは一応、人数分用意。

20) ガイディング用の紙資料
訪れるエリアの昔と今を比較する写真や
建物の構造などを説明する時の資料。
口頭で説明するよりも、
イメージが伝わりやすいし
興味を持ってもらえます。

21)写真にはありませんが、旅行のお守り。

あとは天気に応じて、
折りたたみ傘やマフラー、
使い捨てカイロなど。
早朝の築地などで待ち時間が長い時は
折りたたみ椅子を持っていく
というガイドさんもいます。

帽子とサングラスは迷うところです。
おそらく欧米の皆さまは、
ガイドがサングラスをかけようと
まったく気にしないと思いますが、
日本人の同業者から
「礼儀がなってない」と
後ろ指をさされそうな気がして…。
そんなわけで、とりあえず
サングラスは、かけていません。

マスクはNG。
外国人は、日本人がマスクをして
歩いているのを見ると
「えっ、悪い疫病でも流行ってるの!?」
というかなり驚くようで、
10人中ほぼ10人が、
「どうして、みんなマスクをしてるの?」
という質問をしてきます。

・花粉症
・乾燥防止
・風邪予防
・メイクが済んでない(?)
などの理由を説明すると、
「へぇ~、そうなんだ」と
納得はしてくれますが、
それでも、一緒にいるガイドが
マスクをしていると
あまりいい印象は持たれない気がします。

特に英語の発音に心配のある人は
せめて、口元をしっかり見せて
/f/や/th/をアピールした方がいいかも。

花粉症対策としては、
耳鼻科で薬を出してもらっているのと
あと、白色ワセリンを鼻に塗っています。
それと、花粉症用メガネ。

実際、ガイディングをしている時は、
どういうわけか目もかゆくならず
クシャミも出ませんでした。
かゆいと意識する余裕すらなかったのかも(笑)

ガイディングのある日は
朝早く地元の神社に行って、
いつもより、ちょっと多めにお賽銭を入れ
お天気のことをお願いします。


実はお天気がいいだけで、往々にして
ガイドの評価が上がるんです。
ぜひ、地元の神社にGO!

2017年4月26日水曜日

通訳ガイドの仕事

皆さま、こんにちは。ねこです。
前回、ブログを更新したのが3月7日。
1か月半以上経っていたとは驚きです!
無事にガイドとしてデビューし、
忙しく過ごしております。

ツアーの内容などについては、
あらためて具体的に紹介しますが、
この1か月半、ねこが
どんなことをしていたのかを
ざっくりとお話ししましょう。

3月24日、箱根に下見へ。
行きの電車でフィリピン人5人と
仲良しになり、丸一日、
ガイディングの練習を
させていただきました。
都内泊だったので、翌日、
明治神宮と原宿もご一緒しました。

3月26日、江戸東京博物館訪問(下見)。

4月1日、浅草の再下見。
地下鉄からの移動経路を確認。

4月3日、アテンド業務の下見(都内3か所)。

4月4日、アメリカ人2人の
箱根ツアーで正式にデビュー。
富士山もバッチリ見られて
最高のデビューになりました。

4月5日、
アメリカ人1人のアテンド業務。

4月6日、
アメリカ人1人のアテンド業務。

4月10日、はとバス乗車(下見)。

4月12日、
オーストラリア人5人の都内観光
(浅草、スカイツリー、明治神宮)。

4月12日、
オーストラリア人5人の箱根観光。

4月18日、
アメリカ人2人(友人の友人)
都内2時間観光(ラーメンと東京駅とKITTE)

4月19日、
三軒茶屋キャロットタワー(下見)


4月21日、
アメリカ人2人(友人)羽田出迎え。
羽田から赤坂の車窓案内の練習。

4月22日、昼、
アメリカ人1人(友人)、皇居ランのサポート。
夜、アメリカ人5人(友人)、
「Lost in Translation」ツアー。
(渋谷、新宿)

4月23日
アメリカ人5人(友人)、
「Future World」ツアー。
(お台場、水上バス、スカイツリー)

これまでも、外国人の友人の
観光案内というのは
何度もやってきましたが、
通訳ガイドの研修を受けたあとでは、
「昔やっていたのは、
ガイディングとは呼べない」
と痛感しています。

友達を案内するのであれば、
電車を降りたあとで、
ちょっとキョロキョロしながら
出口を探したり…という場面があっても
それは普通のことです。

でも、プロのガイドは、
そんなことはできません。
なので、完ぺきに下見をするし、
電車の乗り換えなどについては、
路線図と構内図とにらめっこして、
進行方向のどのへんに階段があって、
利用するべき出口に向かうには、
電車を降りたらどっちの方向に
歩きだすかまで確認をしておきます。

もちろん、絶対に間違えてはいけない
というわけではないけれど、
何人もゾロゾロ連れて、
100mも歩いたあとで、
「あっ、ごめんなさい。反対方向でした」
というのは、ちとイタイ(汗)。
なので、必死で準備をしておきます。

質問については、
想定外のものも飛び出すので、
何でも答えられるわけではありません。
ですが、とにかく調べられることは
できるかぎり調べておいて、
Evernoteに書いておきます。

答えられない質問が来た時は、
「それは、すごくいい質問だわ。
私自身も興味があるから、
ちょっと調べさせてね。
あなたのおかげで、私、
ガイドとしてレベルアップできるわ。
本当にありがとう♪(ニッコリ)」
と言って、素早く検索し、回答します。
(※即答できなかった質問について
後日、記事にしようと思っています)

先日、友人のグループを
案内している時に、新人ガイドとして
ちょっと、ゾッとする話を聞きました。
そのグループの1人が、
ある観光都市でガイドを雇ったという話です。

その街のガイドがあまりにもひどいので、
彼は、その街自体を嫌いになり、
4泊の予定を2泊に縮め、
すぐに別の街に移動したと言うのです。

彼曰く、そのガイドは20代前半の青年で、
数か月前に資格を取ったばかり。
とても感じはいいものの、
英語での会話がたどたどしく、
ただ、目的地に連れていくだけで、
その街のことを何も知らない人だったと。

まったく同じ立場の新人ねことしては、
これは、本当にゾッとしました。

『プロが教える現場の
英語通訳ガイドスキル』という本に
「優秀なガイドになるために必要なことは、
生き字引であることでも
完璧な英語を話すことでもない」
「それよりも、親しみやすい性格や、
お客様の役に立ちたいと思う
真摯な心が重要」と書いてあって
少し安心していたのですが、
やはり、こういう辛辣な評価を
する人はいるようです。

まあ、確かに「1日300ドルも払ったんだから
それ相応のサービスを受けられて当然」
という彼の主張も、もっともです。

じゃあ、どうしたらいいのでしょう?
英語力は、すぐにはどうにもならないけれど
台本や想定質問&回答を
英語で書いて覚えておけば
多少は、スムーズな受け答えができます。

まずは、観光ルートに関連することの
基本情報を調べて、Evernoteへ。
例えば、丸ノ内線で新宿に行くなら、
丸ノ内線がどのくらい古い路線なのかとか、
新宿の一日の乗降客数などを書いておきます。
でも、それを伝えるか伝えないかは状況次第。

お客様同士で話に夢中になっていたり
する場合には、特に伝えません。
路線図をしげしげと眺めたりしている場合には
さりげなく、「この電車はね…」
という感じで伝えます。

それと、観光地に関する紙資料を用意しています。
これは、見た方がわかりやすい&面白い
というネタを用意。
数字とか年号とか、覚えきれないものも
紙資料にしておいて、堂々とカンニングします。


例えば、浅草寺の説明などは、
観音様の絵があると便利。
およそ5センチで、この観音様が
隅田川をどんぶらこどんぶらこ。
それを漁師の網にかかって…という話を
「歴史の授業」っぽくではなく
「日本昔ばなし」風に語るのがポイント(笑)。

明治神宮の昔と今などの比較も
ビジュアルで見せると
かなり驚いてもらえます。
話術だけでは、まだまだ勝負できないから
とにかく、下準備で勝負!

それと、ホテルまでお送りせず、
観光地で解散になる場合は、
ホテルまでの帰り方を
プリントで作っておくと
「なんて親切なガイドさんなんだ」
と喜んでもらえます。


クレームをつけられてしまった
某観光都市の20代の青年は
その後、元気にしているかしら。

英語力不足、知識不足は、
こんな風に、水面下で努力して
どうにかこうにか
頑張っていきましょうね!