2017年4月26日水曜日

通訳ガイドの仕事

皆さま、こんにちは。ねこです。
前回、ブログを更新したのが3月7日。
1か月半以上経っていたとは驚きです!
無事にガイドとしてデビューし、
忙しく過ごしております。

ツアーの内容などについては、
あらためて具体的に紹介しますが、
この1か月半、ねこが
どんなことをしていたのかを
ざっくりとお話ししましょう。

3月24日、箱根に下見へ。
行きの電車でフィリピン人5人と
仲良しになり、丸一日、
ガイディングの練習を
させていただきました。
都内泊だったので、翌日、
明治神宮と原宿もご一緒しました。

3月26日、江戸東京博物館訪問(下見)。

4月1日、浅草の再下見。
地下鉄からの移動経路を確認。

4月3日、アテンド業務の下見(都内3か所)。

4月4日、アメリカ人2人の
箱根ツアーで正式にデビュー。
富士山もバッチリ見られて
最高のデビューになりました。

4月5日、
アメリカ人1人のアテンド業務。

4月6日、
アメリカ人1人のアテンド業務。

4月10日、はとバス乗車(下見)。

4月12日、
オーストラリア人5人の都内観光
(浅草、スカイツリー、明治神宮)。

4月12日、
オーストラリア人5人の箱根観光。

4月18日、
アメリカ人2人(友人の友人)
都内2時間観光(ラーメンと東京駅とKITTE)

4月19日、
三軒茶屋キャロットタワー(下見)


4月21日、
アメリカ人2人(友人)羽田出迎え。
羽田から赤坂の車窓案内の練習。

4月22日、昼、
アメリカ人1人(友人)、皇居ランのサポート。
夜、アメリカ人5人(友人)、
「Lost in Translation」ツアー。
(渋谷、新宿)

4月23日
アメリカ人5人(友人)、
「Future World」ツアー。
(お台場、水上バス、スカイツリー)

これまでも、外国人の友人の
観光案内というのは
何度もやってきましたが、
通訳ガイドの研修を受けたあとでは、
「昔やっていたのは、
ガイディングとは呼べない」
と痛感しています。

友達を案内するのであれば、
電車を降りたあとで、
ちょっとキョロキョロしながら
出口を探したり…という場面があっても
それは普通のことです。

でも、プロのガイドは、
そんなことはできません。
なので、完ぺきに下見をするし、
電車の乗り換えなどについては、
路線図と構内図とにらめっこして、
進行方向のどのへんに階段があって、
利用するべき出口に向かうには、
電車を降りたらどっちの方向に
歩きだすかまで確認をしておきます。

もちろん、絶対に間違えてはいけない
というわけではないけれど、
何人もゾロゾロ連れて、
100mも歩いたあとで、
「あっ、ごめんなさい。反対方向でした」
というのは、ちとイタイ(汗)。
なので、必死で準備をしておきます。

質問については、
想定外のものも飛び出すので、
何でも答えられるわけではありません。
ですが、とにかく調べられることは
できるかぎり調べておいて、
Evernoteに書いておきます。

答えられない質問が来た時は、
「それは、すごくいい質問だわ。
私自身も興味があるから、
ちょっと調べさせてね。
あなたのおかげで、私、
ガイドとしてレベルアップできるわ。
本当にありがとう♪(ニッコリ)」
と言って、素早く検索し、回答します。
(※即答できなかった質問について
後日、記事にしようと思っています)

先日、友人のグループを
案内している時に、新人ガイドとして
ちょっと、ゾッとする話を聞きました。
そのグループの1人が、
ある観光都市でガイドを雇ったという話です。

その街のガイドがあまりにもひどいので、
彼は、その街自体を嫌いになり、
4泊の予定を2泊に縮め、
すぐに別の街に移動したと言うのです。

彼曰く、そのガイドは20代前半の青年で、
数か月前に資格を取ったばかり。
とても感じはいいものの、
英語での会話がたどたどしく、
ただ、目的地に連れていくだけで、
その街のことを何も知らない人だったと。

まったく同じ立場の新人としては、
これは、本当にゾッとしました。

『プロが教える現場の
英語通訳ガイドスキル』という本に
「優秀なガイドになるために必要なことは、
生き字引であることでも
完璧な英語を話すことでもない」
「それよりも、親しみやすい性格や、
お客様の役に立ちたいと思う
真摯な心が重要」と書いてあって
少し安心していたのですが、
やはり、こういう辛辣な評価を
する人はいるようです。

まあ、確かに「1日300ドルも払ったんだから
それ相応のサービスを受けられて当然」
という彼の主張も、もっともです。

じゃあ、どうしたらいいのでしょう?
英語力は、すぐにはどうにもならないけれど
台本や想定質問&回答を
英語で書いて覚えておけば
多少は、スムーズな受け答えができます。

まずは、観光ルートに関連することの
基本情報を調べて、Evernoteへ。
例えば、丸ノ内線で新宿に行くなら、
丸ノ内線がどのくらい古い路線なのかとか、
新宿の一日の乗降客数などを書いておきます。
でも、それを伝えるか伝えないかは状況次第。

お客様同士で話に夢中になっていたり
する場合には、特に伝えません。
路線図をしげしげと眺めたりしている場合には
さりげなく、「この電車はね…」
という感じで伝えます。

それと、観光地に関する紙資料を用意しています。
これは、見た方がわかりやすい&面白い
というネタを用意。
数字とか年号とか、覚えきれないものも
紙資料にしておいて、堂々とカンニングします。


例えば、浅草寺の説明などは、
観音様の絵があると便利。
およそ5センチで、この観音様が
隅田川をどんぶらこどんぶらこ。
それを漁師の網にかかって…という話を
「歴史の授業」っぽくではなく
「日本昔ばなし」風に語るのがポイント(笑)。

明治神宮の昔と今などの比較も
ビジュアルで見せると
かなり驚いてもらえます。
話術だけでは、まだまだ勝負できないから
とにかく、下準備で勝負!

それと、ホテルまでお送りせず、
観光地で解散になる場合は、
ホテルまでの帰り方を
プリントで作っておくと
「なんて親切なガイドさんなんだ」
と喜んでもらえます。


クレームをつけられてしまった
某観光都市の20代の青年は
その後、元気にしているかしら。

英語力不足、知識不足は、
こんな風に、水面下で努力して
どうにかこうにか
頑張っていきましょうね!